野澤組の乳製品コラム!

CHEESE FM 34.1MHz ~イタリア料理とチーズの豆知識「ペコリーノロマーノ編」

チーズラヴァーの皆さん、“CHEESE FM”のお時間です。今宵も奥深く濃密なチーズの世界へ、ようこそお越しくださいました。この時間は、普段聞きたいけど聞けないチーズの素朴な疑問をわたくし、DJゴーダが丁寧にご説明いたします。

本日もチーズラヴァーの皆さんよりたくさんのお便りを頂いております…。

それでは早速、本日のお題に参りましょう!
ラジオネーム“ジャージー細川さん”からのお便りです。

「DJゴーダさん、こんばんは。今度チーズ好きの彼女と本格的なリストランテに行く予定があるので、チーズとイタリア料理について何か語れるような情報を教えてください」

楽しそうなデートの手助けができそうです。

では”イタリア料理withチーズ”をテーマとして、今日はカルボナーラについてお話しましょう。カルボナーラは日本でも定番のメニューですよね。わたしの知人でもパスタはカルボナーラしか食べないという人がいるくらい熱狂的なファンが多い人気のパスタだと思います。

 

①カルボナーラのルーツ

「カルボナーラ」と聞くだけでペコリーノ・ロマーノチーズと卵の濃厚でクリーミーな風味が蘇ってくる…    そんなパスタですが、カルボナーラはイタリア語で「炭焼き職人風」という意味があります。           
発祥はローマ東南部の山間地チョチャリヤ地方で、この辺りは古くから木材の供給地となっており炭焼き職人が多く働いていました。その炭の火を利用して作ったのがカルボナーラ。                      炭焼き職人が普通に手に入る材料であり、持ち運びが楽な“スパゲッティ、卵、パンチェッタ、そして絶対に欠かせない”ペコリーノ・ロマーノチーズ“で作れる料理だったのです。

②黒コショウかける理由

いまはカルボナーラの仕上げとして黒コショウをかけますが、これは炭焼き職人たちが炭の上で調理していたために炭の粉が舞い込んでしまったのを黒コショウで再現したものなんですね。だから白コショウではなく、黒コショウがかかっているカルボナーラがホンモノですよ。
またカルボナーラに生クリームや牛乳を加えるレシピもありますが、卵が一気に凝固しないようにレストランで工夫された方法であって、これも本場のレシピでは使われませんのでご注意を。

 

カルボナーラに欠かせないのがペコリーノ・ロマーノというイタリア製の羊乳チーズ。「ペコリーノ」は羊乳からできたチーズ全般を指し、「ロマーノ」はローマ近郊という意味があります。その歴史はかなり古く、ローマ帝国時代の紀元前1世紀頃から作られていたイタリア現存最古のチーズです。昔から保存食として作られていたことから塩分が強めなのが特徴。羊のミルク独特のコクやわずかな酸味、そして甘みも感じられます。
5ヶ月熟成の若いものはそのままテーブルチーズとして食べられますが、1年以上熟成させたものは塩味を足す調味料としてよく料理に使用されています。カルボナーラと同じくローマ発祥の「カチョエペペ」というシンプルなパスタにもペコリーノ・ロマーノは必須の調味料となっており、ローマの人々の生活に深く根付いたチーズであることがわかります。
残念ながらそろそろお時間が迫ってきました。本日はカルボナーラについてお話いたしましたが、ペコリーノ・ロマーノが存在していなかったら現代まで続くその味は違うものであったかもしれません。考えれば当たり前ではありますが、何か運命的なものを感じてしまいます。
今回のお話は参考になりましたでしょうか? イタリアンに精通している男性は魅力的に映るものですが、デートでウンチクを語りすぎるのは厳禁ですよ。
それではまた次回お会いしましょう。See you again!!